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2015年、フリーペーパー『Roots Roots(ルーツルーツ)第02号』を発行しました。紙面では語りきれなかった部分をWEBでお伝えします。

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[第02号] 対談「薪ストーブがあると暮らしが変わる」

株式会社グリーンライフ 代表 長谷川 真児
ファイヤーサイド株式会社 ポール・キャスナー
インタビュー・文/ルーツルーツ編集部

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株式会社 グリーンライフ 代 表 長谷川 真児

昭和42年猪苗代町生まれ。昭和61年北米大陸最高峰 デナリ(マッキンリー)山(標高6194 m)の登頂に成功後、日本人で初めて頂上からスキーでの滑走に成功する。平成元年自宅をログハウスで建築したのをきっかけに、ログハウス事業を始める。

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ファイヤーサイド株式会社 代 表 ポール・キャスナー

ファイヤーサイド株式会社代表。アメリカ・ボストン生まれ。日本各地で薪ストーブの講演活動やストーブクッキングの指導を行っている。

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(長谷川) 僕がポール社長を好きだな〜と思うのは、ただ「薪ストーブがいいよ」と言うだけじゃなくて、「薪ストーブのある暮らしって、いいよね」と、提案をしているからですよ。薪ストーブというと、大抵はデザインや燃焼効率の話で終わってしまうけれど、ポール社長は違う。薪割りしたり、料理したり、薪ストーブのある暮らしの豊かさを教えてくれますよね。

(ポール) 薪ストーブを使ってみると、自然といろんなことを考えるようになりますね。今の時代、普通に暮らしていると、木のことを考える機会はなかなかないでしょう。でも、薪ストーブが家に来た日からまず、「薪をどうしようかな」ということから始めなければいけなくなる。そうすると、公園を散歩していても、木の根元に落ちた松ぼっくりや小枝を見つけるたびに、「これ、もらえるのかな?」なんて考えたりするようになるんですよ。

(長) 確かに、薪ストーブひとつで暮らし方が変わりますね。

(ポ) そう。それに、暮らし方が変われば、家族みんなが変わります。たとえば、今まで食事が終わるとすぐに自分の部屋に戻っていた息子さんが、薪ストーブの前で家族と時間を過ごすようになったり、 一緒に薪を拾いに出かけたりすることも。

(長) 本来の家族の姿っていうのかな、そういうものが呼び起こされていくみたいに感じます。

―絶やしたくない日本の焔の文化

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(長) 日本では薪ストーブを使っている家はまだ少ないですね。

(ポ) 昔の日本の家には囲炉裏があって、木や焔が身近にあったんですけれどもね。

(長) 薪をくべて火を起こして料理したり、お湯を沸かしたり。

th__391A7194 (ポ) 自然の中で自給自足の生活ができていましたよね。春は田んぼでお米を作り、冬は山で木や竹を伐って薪や道具を作る。自分たちでどんぐりを植え、大きく育ってきたら伐って使わせてもらう。間伐材も薪として燃料になりました。エネルギーまで自分の手で作っていたわけです。

(長) 今、ふっと思ったんですが、木や焔を眺めて嫌だと言う人がいないのは、そうした昔の暮らしと関係があるのかもしれない。

(ポ) 人間の本能ですよ。大昔の人間の生活は、いつ獣に襲われるかわからない、危険と隣り合わせのものでしたからね。でも、獣に対抗できる硬い角や鋭い爪、体を覆うような毛はないけれど、人間には焔がありました。焔で寒さをしのぐことも、身を守ることもできたんです。

(長) なるほど。

(ポ) ただ、世の中が便利になるにつれて、日本人は囲炉裏を使わなくなっちゃいましたよね。

(長) 自分たちの焔の文化が消えていってしまうのは、残念です。オール電化住宅が増えて、お子さんが焔を知らずに育つ家もあります。焔のある暮らしの良さをもっと多くのご家族に知っていただきたいと思うんですよ。

―品質の良さだけでなく幸せな暮らしを提案

(ポ) 猪苗代のショールーム、ずいぶん変わりましたね。 th__391A7194 (長) ええ。以前は、いろいろなメーカーの薪ストーブを置いていましたけれど、今は、ファイヤーサイド製品しか紹介していません。それは、ポール社長が薪ストーブを通じて暮らし方を提案するように、これからの工務店は、家のスペックの高さだけでなく、その家でいかに幸せに暮らせるかをきちんと提案しなくちゃダメだなと思ったからなんです。家は生活の土台であり、人を育て未来につなげていく場所です。やっぱり暮らしが大事なんですよ。

(ポ) それはまったく同感です。薪ストーブにもいろいろな種類があって、中にはデザインはすごくかっこいいけれど、性能は高くないというものもあります。料理できない、お湯も沸かすことができないという薪ストーブもあるんです。でも、使ったことのない人は、もし料理ができなくても、そういうものかと思ってしまう。何が足りないのかに気づけないんです。だから、製品を提供する僕たちの姿勢が重要。長谷川社長の考えているように、使う人の立場に立って、本当にいいものを提案するほうが絶対、いいですよ。

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―いいものと長く愛着をもってつきあう

(長) 本当にいいものは長持ちすると思うんです。

(ポ) 薪ストーブも、ちゃんと手をかけてあげると長持ちしますね。僕が自宅で使っているのも今年で18年目になりますから。もちろん、薪を用意したり、灰を捨てて掃除をしたり、手間もかかるけれど、それがまたいいんですよ。そのほうが愛着も湧くというか。家も同じじゃないですか? ちゃんと手をかけてあげれば、100年でも使えるかも。

(長) 本当にそうですね。

(ポ) でも、製品が長持ちすると、メーカーの製造が終わってしまって、作らなくなる部品も出てきます。そういうものをずっと供給できるよう、ストックしていかないと。

(長) ユーザーのために、いろいろなアイテムの紹介や、オリジナルの開発もしていますよね?

(ポ) 薪を割るのは大変な作業ですからね。できるだけ使いやすい斧を提案したかったし、焔をコントロールする時に使う道具も、日本人が使いやすいサイズに考慮しました。それに、せっかく薪ストーブを使うのだから、楽しく、面白く、暮らしに生かしてほしくて、アロマスティーマーやクッキングツールなどの提案も行っています。

―同じ志の人が集まるこれも運命!?

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(長) 僕らのしたいことはすごく似ていると思うんですよ。

(ポ) 人の運命ってあると思いませんか? 僕は薪ストーブを扱うことで長谷川社長に出会うことができたし、ほかの多くの人と知り合いになりました。

(長) ポール社長に出会って、運命が変わった人もいますよね。

(ポ) 普通に会社勤めをしていたけれど、薪ストーブが欲しいということから始まって、結局勤めていた会社を辞めて、薪ストーブに関わる仕事についちゃった人もいますよね。それも運命かもしれない。

(長) いいことをしている人のところには、いい人がやってくるんですよ。これからは本物志向の時代だと思います。志が同じ人たちとコラボレーションしながら、お客様が幸せになる暮らし方をお届けできるといいですね。