[第02号] 「本物をつくる人 1人目」

薪ストーブ専門店VENTO 風間 世治 インタビュー・文/ルーツルーツ編集部

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薪ストーブ専門店VENTO 代 表 風間 世治

ログハウスをきっかけに薪ストーブと出会う。グリーンライフに15年勤務する。薪ストーブの炎の温もりを一人でも多くの人に味わって欲しい、そして一人でも多くの人に薪ストーブの温もりを届けるため活動している。

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―グリーンライフが好きではじまったこと

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元々は料理人をしていました。ただ、ずっと厨房の中で仕事をしていたので、太陽にあたって仕事をしたいという欲求がものすごくなって。19年前、26歳くらいのときに建築業界に入って、いくつかの建築会社で働きました。色々模索する中で、一度建築業を離れていたところ、グリーンライフの長谷川社長から電話があり「うちを手伝いにこないか」と誘われて。僕はグリーンライフが好きだったから「もう喜んで」という感じで建築業に戻りました。だから、はじめは「薪ストーブやログハウスが好きで」という感覚じゃなくて、グリーンライフという会社が好きではじまったことなんですね。

―薪ストーブとの本当の出会い

 当時のグリーンライフの仕事はログハウスがとても多くて、カナダの提携会社から建材がコンテナでどんどん送られてくる。そのコンテナの中にね、カナダのほんとにシンプルな薪ストーブがあって、それをログハウスに設置しました。段々と「やっぱりログハウスには薪ストーブでしょ」という感覚になっていきました。そうして仕事をしていく中で、経験の浅さからくる、薪ストーブに関する不手際がおきてしまって。そこに携わったのが全部私でした。迷惑をたくさんかけて、とても落ち込んでしまって。薪ストーブなんてもうやりたくないって。その時は人生のどん底まで落ちた時期でしたね。 それなのに、長谷川社長に「薪ストーブをもう1回やってみないか」と言われました。目を背けるのではなく、あえて逆方向の視点で、更に本腰を入れてやってみないか、と提案されました。僕は「もうグリーンライフをやめて別な職種につこう」という気持ちだったんですが、「また一緒にやろうぜ」と長谷川社長に言われたのが、私にとって薪ストーブを手掛けるようになった本当のきっかけですね。そこから今度は「こうすれば安全だな」と本気で勉強をしていきました。

―恩返し


長谷川社長も「餅は餅屋」「プロフェッショナルが集まった家づくりをする」とよく言います。住宅を極めたいという気持ちはありましたが、私が経験したことを活かして薪ストーブを極めて、完璧な仕事をして最終的にはお客さんに喜んでもらいたい、という想いが生まれてきたんです。 そうすると、人間だからまた別な欲が出てきて。36歳のときに独立をしたいと思い、そのとき長谷川社長に相談したところ、36歳の僕の器を考えると「まだ早い」と言われました。そこから数年経って40歳になり、子どもも2人生まれ、そのときまた長谷川社長に「独立したい」と相談したんですね。そしたら「今だったら、お前をサポートしてあげられるから、いいよ」というようなことを言われて念願の独立をしました。それが3年前。独立は早い方が良いと言ったりもしますが、15年の間グリーンライフで下積みをして学んだことは、すごく大きかった。人脈もそうだし、お金のことや、信用のこと、すべてここで学んで、その年月があったから、今がある。あとは、照れくさいですけど、長谷川社長に恩返ししたいという気持ちもあります。それと同時に、今度はこちらからサポートをできればと思っています。長谷川社長が考える「本物の家づくり」に、私は薪ストーブのプロフェッショナルとして関わりサポートしていくことで本物の家づくりを続けていきたいと思っています。

―風間さんが考える「本物」とは



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薪ストーブを生活に取り入れると、お客さんのライフスタイルがまったく変わるんです。薪ストーブって、電気のようにスイッチひとつでポンとつかないでしょ。薪支度をしなきゃいけないとか、薪を入れなきゃいけないとか、生活の中での行いがたくさん生まれる。そして、冬になれば「あぁ、薪ストーブにゆっくりとあたれるな」という楽しみがある。薪は前年に支度したものを使うから、薪づくりの苦労は翌年の冬になってようやく炎という見返りを得られるような手間のかかるものなんです。薪ストーブは手間が掛かるからこそ得られる、その人だけのライフスタイルが生まれるんです。そういったものを大切にすることが僕にとっての「本物」なのかな。 それと、この仕事で気に入ってることがあって。家が建つじゃないですか。着工から完工まで、家が建つまでの物語がたくさんある。その中で私は、薪ストーブの火を最後にぽっとつける。なんだか「いいとこどり」なんですよね。薪ストーブの火を最後にお客さんに見せて、家のはじまりの物語に幕を降ろす。あとはあなたが自分の生活の中で、この薪ストーブの火を灯して、次の物語をはじめていきましょうって。だから薪ストーブがついてる家には物語があって、僕はそのはじまりの火を灯す。それがやめられないですよね。