この度、Roots工務店は「国産材100%の家づくり」を宣言いたします。これは、日本の豊かな森林を未来へつなぎ、持続可能な社会の実現に貢献するための私たちの決意です。
現在の日本の森林は、手入れが行き届かない放置林の増加や林業の衰退など、多くの課題を抱えています。私たちは、家づくりに国産材を積極的に使うことで、これらの問題解決の一助となると信じています。
国産材を選ぶことは、単に日本の木を使うだけではありません。健全な森林を育み、地域の林業を活性化させ、災害に強い国土を守ることに繋がります。Roots工務店は、国産材の価値を皆様にお届けするため、一歩を踏み出します。
1. 森林の荒廃と災害リスクの増大

日本の森林の多くは、戦後に植えられた人工林です。これらの木々は適切に手入れ(間伐など)されることで健全に育ちますが、林業の衰退により手入れが行き届かない「放置林」が急増しています。木々が密集しすぎると日光が地面まで届かず、下草が生えにくくなります。その結果、
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土壌が不安定になり、大雨の際に土砂崩れや洪水といった自然災害のリスクが高まります。
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生物多様性が失われ、森が持つ本来の生態系が損なわれてしまいます。
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健全な森に比べてCO2の吸収能力も低下し、地球温暖化対策の面でも課題が生じています。
2. 林業の衰退と森林資源の未活用

安価な輸入木材への依存が進んだことで、国内の林業は経済的に苦しい状況にあります。これにより、林業で生計を立てることが難しくなり、林業従事者の高齢化と後継者不足が深刻化しています。結果として、豊かな森林資源があるにもかかわらず、それが十分に活用されないという問題が生じています。
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特に、安価な輸入木材への依存が進んだことで大きく育った「大径材」が豊富にあるにも関わらず、その活用が進んでいません。これまで小径木や集成材の利用が中心だったため、大径材を効率的に加工・利用する技術や設備が不足していることも一因です。
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伐採が進まなければ、その後に新たな植林も行われず、森林の持続的な循環が滞ってしまいます。これは、木材という再生可能な資源の無駄遣いとも言えます。
3. 木材利用に対する意識の課題

消費者の間で、木材の産地やそれが森林に与える影響についての関心が低い現状があります。価格や見た目だけで木材を選ぶ傾向が強く、国産材を選ぶことが日本の森林を守り、地域経済を支えることに繋がるという認識が十分に浸透していません。
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この意識の低さが、国産材の需要が伸び悩む原因となり、林業の活性化を阻害しています。
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国産材が持つ優れた品質や、地域に根ざした林業が持つ多面的な価値が、十分に理解されていないことも課題です。
これらの問題を解決し、日本の森林を健全な状態に戻すためには、私たち一人ひとりが「国産材を選ぶ」という行動が不可欠です。国産材100%の家づくりは、日本の豊かな森林を守り、地域経済を活性化させ、持続可能な未来を築くための大切な一歩なのです。