飛騨高山研修記①

Roots Lifestyle Shop

 

今月13日から始まる「一枚板展/国産広葉樹のハギテーブルと無垢材の雑貨たち」の準備を兼ねて、先月、スタッフみんなで仕入れ先の工房を研修に訪れました。

今回の展示会では、一枚板のハギテーブルや無垢材の時計・照明・カッティングボードなど暮らしの道具も新たにラインナップとして加わります。
※イベントの詳細は下記リンクをご覧ください。

一枚板展 4/13-5/6  同時開催: 国産広葉樹のハギテーブルと 無垢材の雑貨たち

これらは、訪問した工房で直接探して「これは皆様にお届けしたい!」と思った逸品ばかり。

きっと皆様のこれからの暮らしを、より楽しませてくれることでしょう。

 

今回のブログは、そんな研修の様子を当店のスタッフがまとめた「飛騨高山研修記」の第一弾です。ぜひお読みください!

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<プロローグ>

3月中旬の定休日、Roots Lifestyle Shopのスタッフ一同で家具の研修へ旅立った。

場所は家具の六大産地のひとつ、岐阜県高山市である。

 

当店ではこの地域のいくつかの工房さんの商品を取り扱っている。

実はブログを書いている私自身は、家具作りの現場をほとんど見たことがない。

だからお客様にお伝えすることが文字や画像情報のみで、それまでどこか遠い世界のようでもあった。

 

今回、工房に足を運び職人さんたちとお話ししたことで、お店で扱っている商品の生まれる過程・工房の音・匂い・温度などを体感でき、平面的に感じていたところを立体的に感じることができた。

 

 

これから、研修で自分が感じた家具づくりの立体的なところ「現場に行かなければ感じ得ないもの」を、4回のブログを通して伝えていきたいと考えている。

 

どうぞ皆様、最終回までお付き合い頂けましたら幸いです。

 

 

<研修1日目:オークヴィレッジさん>

 

本社のある新潟を早朝に出発し、5時間の道のりを経てオークヴィレッジさんの工房へ到着した。

 

道中から大粒の雪が降り始め、工房へ着く頃には脛が埋まるくらいまで積もっていた。

昨日まではほとんど雪のなかった東日本。この思わぬ雪景色が、飛騨高山の冬の美しさを教えてくれた。

オークヴィレッジさんの工房は、山道を進んだ先の森の中にあった。

 

ショールームの棟・雑貨や家具が展示販売されている棟・カトラリーを作る棟・家具を作る棟・製材する棟・木材を保管する棟、といった具合にいくつかの棟で形成されていた。

 

 

 

「ヴィレッジ」と名前がついている通り、森の中に人々が間借りをして一つの村を作っているような、可愛らしい雰囲気を全体的に醸し出していた。

 

このショールームで、はじめにオークヴィレッジさんの生まれた経緯をお聞きした。

ちなみにここは部屋の角一面に窓がはめ込まれた造りになっており、森に降り積もる美しい雪景色を見せてくれた。きっと春には森に新芽が芽吹く様子を、夏には深いグリーンを、秋には色とりどりの紅葉を見せてくれることだろう。

 

 

 

50年ほど前に始まったここの歴史は、「⽇本古来の『⽊の⽂化』を拠り所とした 持続可能な社会づくり」を目指し、たった5人のメンバーで薄野を開拓することから始まった。

メンバーはそれぞれ裕福な家庭の出で、だからこそ自分たちが浸かっていた消費社会を嫌厭し、あえてススキ以外は何もない山の中で自然の素材だけを使って生きる暮らしを始めた。

それが家具作りの始まりである。

 

自然素材(木)を尊重しつつ、それを使う人間にとっても心地よい家具を作る。それが象徴的に表れているように思うのが、当店でご紹介しているチェアRC.020だ。

 

RC.020は背もたれがツバメの羽根を思わせる形状をした非常に座り心地の良いチェアである。

背もたれのこのカーブは人間工学から計算され作られたもので、使い手の体への配慮はもちろん、チェアそのものの形状の美しさにもこだわりを持っている。

この美しさを生み出すのが、曲木を担当する職人さんの技だ。

背もたれになる木材を、直径50cmくらいの長い筒状の機械に入れて70~80°ほどに加熱し、その筒から取り出したら鉄の板に乗せて別の機会にかけてゆっくりと曲げていく。

 

ゴウンゴウンと様々な機械音が大音量で響く中で、まっすぐな木が曲線へ変化していく。

「木って本当に機械で曲がるんだ」と、インテリア業界にいるとは思えないようなど素人の気付きと感動が真っ先に浮かんだ。

 

人の手だけでは絶対に曲げられない硬い天然素材が、熱と機械によってゆっくりと形を変えていく様子に、「どうしたらこの発想ができたのだろう」とか「最初にこの技術を開発した人は、『どこまで曲げられるのか、どこまでいったら折れるのか』ときっとドキドキしたんだろうな」など想いが巡り、息をするのも忘れるくらい見入ってしまった。

 

この曲木はコンテナで1年ほど乾燥させながら保管し、美しく仕上げられてRC.020の重要な部分(背もたれ)に生まれ変わる。

 

 

職人さんの試行錯誤によって生まれ受け継がれてきた技術と飽きのこないデザインの調和が、加味された人間工学との相乗効果によって、使い手にとって生涯のパートナーになるような素晴らしいチェアを作っている。

 

 

ちなみにこの曲木の職人さん、オークヴィレッジさんの木琴も制作されている方でもある。

桜・朴・ヒノキ・ナラなどを同じ長さの鍵盤にし厚みで音を調整して作った、美しい音色を奏でるあの木琴である。

それぞれの木が持つ繊細な音を聴き分けながらあの木琴が生まれた。

 

「桜と朴はいい音出すんだよね。でもブナだけはどんだけ試してもダメだった。だから木枠で使ったんだ」

と教えてくれた。

 

現在は当店で売り切れのため取り扱っていないが、あの木琴はいつもお客様を楽しませてくれていたのでいつかまた店頭に置ける日が来ることを願っている。

 

 

 

 

 

家具の職人さん。蟻桟(ありざん)について教えてもらった。

漆職人さんからは日本での漆の歴史と特性について教えてもらった。酸っぱくて渋い、不思議な濃い香りのする部屋だった。

部品製材の部屋。とても寒い中、カンナで削られた美しい材が生まれる。

mmの薄さで削り出されたカンナ屑。透けるほどの美しさに目を見張った。

木屑が飛ぶので開けっぱなしの引き戸。冬は-15°になる飛騨高山の工房。職人さんの忍耐力の上に素晴らしい暮らしの道具が生まれる。

真剣に話に聞き入る当店の店長

職人さんの技に思わず見入ってしまった

この時にみんなで見入ってたのは家の図面。「いろはにほへと」が用いられた設計図に「もしかして『いの一番』の語源!?」とワクワクした。

 

 

家具・カトラリー・おもちゃ・家などなど。

様々なジャンルが連携し、50年続く大ブランドとして発展し続けるオークヴィレッジさん。

どうしたらこんなに連携が取れるのだろうと思い「関係を保つために何か工夫があるのか」と質問してみた。私たちの対応をしてくださった営業さんは少し考え込んでから「毎朝みんなでラジオ体操をしてます!」と答えてくれた。そのほかにも、山を定期的に手入れしたり、夏になれば従業員の親子みんなで工房脇にある沢で沢遊びや釣りをするという。

 

「みんなでみんなの森を、大切に、自由に、ものづくりを通して楽しむ。」

創設者たちの想いが形を変えて受け継がれながら、素晴らしい暮らしの道具を生み出している。

 

飛騨高山研修記②へ続きます。

どうぞお楽しみに!

 

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【一枚板展】
同時開催:国産広葉樹のハギテーブルと無垢材の雑貨たち

会 期:4/13(土)〜5/6(月祝) 開催!
時 間:11:00〜17:00
定休日:毎週火・水 ※4/30(火)・5/1(水)は営業
会 場:Roots Lifestyle Shop (Roots猪苗代 2F)

一枚板展 4/13-5/6  同時開催: 国産広葉樹のハギテーブルと 無垢材の雑貨たち

【お得なご成約特典も!】

ご来店予約して一枚板をご成約されたお客様に
オリジナルのアイアン製ダイニングテーブル・センターテーブル兼用脚(55,000円相当)をプレゼント!

先着10名の特別企画で残り枠少なくなっておりますので、この機会をお見逃しなく。
※税込30万円以上の一枚板に限ります。

 

 

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Roots Lifestyle Shopは「本物と育てる暮らし」をコンセプトに、本物のくらしの道具を通して、モノを選ぶ基準やくらしの価値観をご提案しています。新しい暮らしをお考えの方はぜひお出かけください。

Roots Lifestyle Shop (Roots猪苗代2F)

11:00-17:00

火・水 定休

tel 0242-23-4339

福島県耶麻郡猪苗代町山潟字湊志田191

mail roots-shop@sps-i.jp

web http://www.roots.jp

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