GWはRoots Lifestyle Shopへ!/飛騨高山研修記③
いよいよ始まりましたね、今年のゴールデンウィーク!
猪苗代も新緑の気持ちのいい季節を迎えています。
当店の窓から見える裏庭には、小さな新芽が毎日ぐんぐん成長している姿が見えます。
この窓の景色も当店の見所です。
さて、現在そんな季節にぴったりな、木の息吹を感じられる「一枚板展」を開催しています。
樹種は異なりますが、当店の裏庭にあるような大きな木たちが、店内で展示されている一枚板として私たちの暮らしに彩りを添えてくれています。
ケヤキ・サクラ・ホオなど日本でもお馴染みの木や、ウォルナット・サペリ・ブビンガなどの外国産材など、種類豊富に一枚板をご用意しています。
また、木材として活用が難しい小径木を素材とした、国産広葉樹のハギテーブルや、壁掛け時計・カッティングボード・ペンダントライト・スツールなども見所です。
特にスツールは、直径30cmほどの丸太を究極にシンプルな形で制作しています。
木の木目や肌触りはもちろん、自然にできた割れ目などが木の強さや美しさを伝えてくれます。
また、当店オリジナルのGOSHIMA絨毯が全国での展示会から帰ってきました!
店内の白いお部屋に展示しておりますので、美しく少し素朴さを感じるデザインと最高の踏み心地のGOSHIMA絨毯を、ぜひお楽しみください!
イラン・トルコ・モロッコの手織り絨毯も引き続き展示しております。
特にトライバルラグは25%offの大特価にてご紹介していますので、ぜひこの機会をお見逃しなく!
当店の一番奥のお部屋には、ダイニングテーブルとチェアも多数ご紹介しています。
奥のお部屋だからこそ感じられる「まったり感」をぜひチェアに座りながら感じてみてください。
さてここからは、3月にスタッフで行ってきました飛騨高山への研修記をお送りいたします。
ぜひ、このままお読みください!
飛騨高山研修記①
飛騨高山研修記①
飛騨高山研修記②
一枚板展始まりました/飛騨高山研修記②
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<飛騨高山研修記③>
研修2日目は朝から雪模様だった。
まずは、今月から取り扱いを始めた「国産広葉樹のハギテーブル」を制作する工房へ。
ここでは、国産広葉樹のハギテーブルが生まれた経緯と地元で育つ木を暮らしで活用することの大切さを教わった。
また、私たちが知らなかった日本の林業を取り巻く状況や、その中に潜む歪みや憤りを、自分たちで変えていこうと立ち向かう人たちの姿を目の当たりにした。
その状況を実感した上で、伝え手としての心構えを見直せた時間でもあった。
今回のブログでは、それを紹介していく。
皆様どうぞ、最後までお付き合いくださいませ。
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午前9時前に工房に到着した私たちは、担当の松原さんに案内され、山の中にある木材の伐採現場へ足を運んだ。そこは昨日からの降雪で辺り一面に積雪があり、雪で埋もれた道は車が行き来するのも一苦労だった。
ここは、山と山に囲まれた谷のようになっており、自分たちが立っていた所からは山の斜面で成長する木々がよく見えた。
飛騨高山は急峻な地形が多く種類豊富な木々が育つ。この木々が「森らしく」育つのは意外にも早く、広葉樹においては新芽から5~6年でそれっぽく見えるとのこと。
「だいたい5~6年もあれば人の腰の高さくらいまで木が育つので、その空間に入っていくことが大変になります。それで『森らしく』見えるようになるんですよね。ここ(飛騨高山)では広葉樹も針葉樹もどちらも育つのが特徴の一つで、手前と奥で木の種類が変わりこういう景色になります。」
と松原さんは森の構成について教えてくれた。
森を見渡すとシュッとした細い木々(恐らく杉)の間にもこもこと太い木々があったり、もこもこした木だけ・細い木だけのエリアがそれぞれあったり、視界に入るエリアが何種類もの木々で構成されているのが分かった。
豊かな森とは、こういうことをいうのだなと実感した。
森から移動し、次はこの森で伐採された木の保管場所へ。
ケヤキ・ホオ・キハダ・サクラなど様々な木が山積みになっていた。当然のことながら名札などついていないので、正直どれがどの木か正確には分からない。
どうやって木の種類を見極めているのだろう?と疑問に思っていたところに、木の見極めを専門にする「選木」の職人さんが通りがかり、松原さんが紹介してくれた。
この職人さんは飛騨高山で生まれ育ち、ずっと木を相手にしてきた。見極めはほぼ100%といわれる腕前を持っている。そんな職人さんから、日本の森を囲む状況についてこんな一言が漏れた。
「ここには(日本全体の意味を含む)木がすごく余ってる。今は輸入材ばかり使っちゃうから仕方ないんだけど。もったいないって思うよ。」
実際に日本では木材自給率が40.7%(2023年現在)に留まっている。
国土の約3分の2が森林なのにも関わらず資源を余らせているのが現状であり、木材を暮らしの糧とする林業関連者の暮らしに暗い影を落としている。
資源を余らせた理由には、先の大戦で日本の木が大量に消費され森林が荒廃したことから、戦後に日本各地で造林に関する事業が多数行われたことも一因と考えられる。
その際に加工しやすく成長の早い針葉樹が多く植えられたが、その一方で貿易の自由化が進み、海外から安価で安定供給される木材が流通するようになった。
その流れの中で、一般的に「品質が均一な商品」が好まれるようになり、安定供給のできる外材の流通がさらに増加した。
ここで「日本の木が余り、外材が増加する」現象がおき、今に至っている。
また品質が均一な商品は、作る際の作業が単純なので職人の手がかからなくなった。
先に記述した通り、飛騨高山は急峻な地形をしており育つ木々の種類が豊富なことが特徴だ。
そしてその木々はなぜか真っ直ぐには育ちにくく、曲がり木や少し変形した木が多い。傾斜がきつい場所で、積雪などが原因で木に強いストレスがかかることが原因ともいわれている。
これらの木材を上手く扱うのは職人の技が必要だが、そもそも曲がり木や変形材を扱うことが少なくなり、職人を育成する必要性自体が少なくなった。
これらの原因から、職人は高齢化・減少の一途を辿っている。
松原さんたちは、この現状を少しでも変えていきたいと考えている。
そこで生まれたのが、当店でもご紹介している細身の一枚板をはぎ合わせた国産広葉樹のハギテーブルだ。
直径30cmほどの「小径木」と呼ばれる丸太を引いて板上にしたものを3~5枚ほどはぎ合わせて製作されるこのテーブルは、クルミ・ヤマザクラ・クリの3種類がある。一枚板を活用しているので、木そのものが持つ表情が木肌に残り温もりを感じさせる。
天板はどの材も艶やかでツルツルした肌触りをしており、特にヤマザクラの肌触りは滑らかでいつまでも撫でていたくなる。サンドペーパーをかけて植物性のオイルで塗装しただけなのに、それ以上の質感と美しさを感じさせる。
数百枚の木材から木目や色味の合う材を探し出し、さらに反りが合うかも一枚一枚確認して接ぎ合わされる。
実際にその作業中に作業場を覗かせていただいたが、この工房の代表である阿部さんが一人で黙々と木を並べたり外したりを繰り返していた。
同じ樹種とはいえ、個性の違う木をマッチングさせるのは相当な労力であろうことは容易に想像できた。
商品として加工しづらい変形した木や曲がり木を上手く活用し、美しい暮らしの道具に昇華させる姿勢には、「森と木と日本の暮らしをつないで循環を生み育て、次の世代に受け継いでいく。それこそが飛騨高山に暮らす自分たちの役割」という強い信念が垣間見えた。
ちなみにこの工房では、ハギテーブルの他にも小径木を使ったペンダントライトやスツール・カッティングボード・壁掛け時計などを製作している。
店頭で展示されているので、ぜひ木全体の姿を想像しながら手に取ってみてほしい。
余談だが、松原さんは岐阜県外からの移住者である。
飛騨高山研修記②で紹介した渡部さんも県外出身者で、岐阜で家具作りを学んだ。
地元の職人さん自体は高齢化と減少が進んでいるが、家具や日本の材に魅せられた若者が飛騨高山の林業や家具作り(伝統産業)を目的に移住していることも事実であり、それがささやかな希望の光に感じられた。
「私たちが作る家具を通して、使う人に『この材はどこで生まれたのか、どんな環境で育ったのか』と思うきっかけになってほしいです。そしていつかその先にある森に目を向けてほしい。日本が昔から育んできた木との暮らしと、その木を活用するために暮らしの道具に変えてきた職人さんに想いを馳せて、国産材を活用していくことが未来への循環を生むという大切さを感じてくれたらと願っています。」
と松原さんは語った。
加工のしづらさ・不安定な供給事情から、国産材の家具は大量生産ができず手間がかかり、それゆえに一部で高いものがあり「国産材の家具は価格が高い」というイメージをもたれやすい。
しかし実際は、一般流通している木材の中でも、外材の方が高い樹種もある。また、近年はコロナウイルスや戦争の影響で外材の価格も上昇してきている。
松原さんたちの家具に込めた想いと家具の背景をしっかりとお客様に伝え、その家具に価格以上の価値を感じて使ってもらうこと、を一番に考え行動する。
これが、私たち販売員の心構えであり役割なのだと、体に刻み込まれた訪問となった。
(飛騨高山研修記④につづく)
【一枚板展】
会 期:〜5/6(月・祝) 開催中!
時 間:11:00〜17:00
定休日:毎週火・水 ※4/30(火)・5/1(水)は営業
会 場:Roots Lifestyle Shop (Roots猪苗代 2F)
一枚板展 4/13-5/6 同時開催: 国産広葉樹のハギテーブルと 無垢材の雑貨たち
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Roots Lifestyle Shopは「本物と育てる暮らし」をコンセプトに、本物のくらしの道具を通して、モノを選ぶ基準やくらしの価値観をご提案しています。新しい暮らしをお考えの方はぜひお出かけください。
Roots Lifestyle Shop (Roots猪苗代2F)
11:00-17:00
火・水 定休
tel 0242-23-4339
福島県耶麻郡猪苗代町山潟字湊志田191
mail roots-shop@sps-i.jp
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