一枚板展本日最終日!/飛騨高山研修記④
最大10連休となった今年のゴールデンウィークも、とうとう本日で終了です。
皆様はどんな毎日でしたでしょうか。
当店では4月半ばから始まった「一枚板展」が引き続き開催中。連日大勢のお客様に足をお運び頂いております。
ご来店くださった皆様、大変ありがとうございます!
また、帰省や旅行でお立ち寄りくださった皆様にも感謝申し上げます。
皆様にとって当店で過ごした時間が印象深いものになっていましたら嬉しく思います。
日本国内外の30点以上の一枚板をご紹介している今回の展示会。
ケヤキや桜など日本で暮らす皆様にお馴染みの樹種をはじめ、クラロウォルナットやブビンガなど外国産の珍しい樹種など幅広くご紹介しています。
また、3月にスタッフで研修に訪れた飛騨高山の工房で直接買い付けた「国産広葉樹のハギテーブル」、現在では伐採禁止となった屋久杉の一枚板にレジン加工を施した「屋久杉一枚板のレジンテーブル」など、この展示会ならではの天板もお披露目されています。
屋久杉一枚板のレジンテーブルは、屋久杉特有の美しい杢目、自然を生き抜いた証である割れなどの荒々しさも存分に感じられます。
過酷な環境を長い時間生きてきたんだな、と想像できるワイルドな木肌を美しく仕上げ、各所にある割れ目や穴に加工されたレジンは、焦茶色やグレーのカラーでまとめられ、屋久杉の歴史を讃えるように重厚感と高級感を添えています。
ワイルドさを残しつつ仕上げることは大変な作業ですが、そこは職人の腕の見せ所。
丁寧にこの屋久杉の個性を表現しつつ、美しい姿に生まれ変わらせてくださいました。
この唯一無二の姿、一見の価値ありです!
屋久杉一枚板のレジンテーブルは当店のセントラルフロアに展示しております。
ぜひその美しさをあなたの目でお確かめください!
【屋久杉】
サイズ:長さ213.5cm 幅88-101cm
価格:880,000円
一枚板展は本日までの開催となります。
来店直前でのご連絡でも来場予約として承りますので、お気軽にご連絡ください。
来場予約の上ご成約となったお客様には¥55,000(税込)相当のアイアン製の脚をプレゼントしておりますので、来場予約でぜひお得な特典をゲットしてくださいね!
一枚板展の次は、5月25日(土)から当店が総力を上げてお送りする「春の大絨毯展」を開催いたします。
200枚以上のギャッベ・ペルシャ絨毯・トルコのマラティア絨毯・トライバルラグなど当店でもお馴染みの絨毯に加え、今回は大変希少性の高いアフガニスタンのガズニンウール絨毯を多数ご紹介いたします!
熟練の職人の技から生まれた美しさと機能性を兼ね備えたガズニンウール絨毯は、福島県内では当店だけの展示となりますのでこちらも必見です!
絨毯展をよりお楽しみいただく企画、ギャッベに名前をつける「タイトルコンテスト」も開催中です。
コンテストの最優秀賞の1名様にはミニ絨毯をプレゼントいたしますので、ぜひご参加ください!
さてここからは、3月にスタッフで行ってきました飛騨高山への研修記をお送りいたします。
連載形式でお送りした研修記もとうとう最終回です。
これまでお読みくださった皆様、大変ありがとうございました!
ぜひ最後までお付き合いくださいませ。
飛騨高山研修記①
飛騨高山研修記①
飛騨高山研修記②
一枚板展始まりました/飛騨高山研修記②
飛騨高山研修記③
GWはRoots Lifestyle Shopへ!/飛騨高山研修記③
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研修2日目、2件目の工房に訪れた時には研修中に降り続いていた雪もだいぶ落ち着き青空も見えるようになっていた。
当店では、この工房のダイニングチェア数種類とダイニングテーブルを、スタンダードなフォルムのものから一風変わったフォルムのものなど様々なデザインの家具をご紹介している。
バリエーション豊富なデザインだからこその掴みどころのなさを感じていたが、それは「使う人の暮らしに合わせたいから、デザインのこだわりを持たない」という作り手の想いが体現されていることが理由だった。
そしてその想いは、家具作りだけではなく工房のある地域一帯への未来を思うことへつながっていた。
案内をしてくれたのは工房の代表・駒屋氏。
まずは家具や雑貨を展示販売している店舗部分からスタート。こちらの店舗、壁一面に大きな窓があり光を部屋いっぱいに取り入れられる構造になっており、多種多様なデザインの家具が自然光で美しく照らされていた。
例えば、当店でお馴染みの「みのりテーブル」も多様なデザインのうちの一つである。
ダイニングテーブルとしては珍しい丸みを帯びた三角形をしており、空間の雰囲気を和らげ家族や一緒に使う人たちの中に流れる空気も和やかにする。
柔らかい曲線の三角形は、みのりテーブルの最大の特徴だ。
一般的な四角いテーブルは向き合って座ればどこか圧迫感がある。
かと言って、 隣に座れば視線が合わなくてちょっと寂しい。 MINORIテーブルの三角形は、その両方の良い所が組み合わさっている。
3人以上でテーブルを囲めば、みんなの視線を中央に集め優しい時間を作ってくれる。 高さの違う2台を組み合わせれば使う人の身長差を埋め、それぞれが使いやすい心地いいテーブルにもなる。 家族みんなが心地よく集うために機能性を考慮しデザインされている。
駒屋氏は、地元で代々続く職人の家系の出身である。
学生時代をデンマークで過ごし、帰国後は北海道の旭川・飛騨高山の別の工房で家具造りを学び、再びデンマークに渡り最終的に現在の工房を開いたという経歴を持っている。
「家具作りについて、最初は特別な興味はありませんでした。学生時代を過ごしたデンマークにも自発的でなく両親から行かされましたから。でもそこでの暮らしで『家具は自分の生活を豊かにするためのインテリアで、使う人の幸福度を上げるもの』と感じました。」
言わずと知れたことだが、デンマークは北欧家具の本場である。
一つの家具をメンテナンスしながら何十年と長い時間大切に使う北欧において、家具が「生活の道具」としてだけではなく人間の暮らしのパートナーであることを、駒屋氏は現地の暮らしを通して体感したそうだ。
ホテルや公共施設の家具の特注から始まった駒屋氏の家具作り。
工房開設から約30年、部品作り・組み立て・縫製の部屋を敷地内に設え、全てを工房の敷地内で完結できるよう整え現在の形になった。
部署内ごとに担当作業が変わることはもちろん、管理者と作業員の立場をローテーションする仕組みで従業員皆が等しく技術を高め、平等な関係を保てるようにシステム化されている。
誰もが平等に高め合っていけるというシステムは、従業員の不満を生みにくく仕事へのモチベーションにも大きく関わってくるだろうなと思った。
この環境の中で生まれた、当店でもひときわ目を引くチェアがある。
それが、丸みを帯びた肘置きのフォルムが可愛らしいRC.034である。
前脚は上から下にかけて太さの変わらないフォルムをしており素朴な印象を抱かせるが、それとは対照的に後脚から背柱は1本の木で貫いており、上に行くほどスタイリッシュな印象を抱かせる。
背もたれは鋭角と曲線のコントラストが美しく、その中央を筆で描いたようにまっすぐな線を2本入れておりデザイン性の高さを感じさせる。
背もたれの最上部である笠木が薄くシャープになっており、最下部の背貫は丸く少し厚めに設計されている。この上下対照の設計が背筋を心地よく伸ばしてくれ、最上の座り心地を与えてくれる。
そして肘置き。
短めのアームで左右の出入りがしやすい機能性はもちろん、扇形になった先の部分は肘を置くのに安定しており肩に負担をかけない。
そして見た目の可愛らしさから、使い手にリラックス効果ももたらす。
設計をした駒屋氏は、このチェアを「雫をイメージした」と教えてくれた。
自然の造形は人間の体に空気のようにフィットする。丸みのある雫のフォルムは、人間が生きる上で必要な水を連想させるだけでなく、溢れる透明感に心が浄化されていく心地良さを感じさせる。
デンマークデザイン黄金期に憧れ家具作りを学んだ駒屋氏だが、この時期の北欧の雑貨は、実際に自然の造形から着想を得てデザインされたものも多い。
例えば同じ北欧の国・フィンランドのガラスデザイナーのタピオ・ヴィルカラ(1915ー1985)は、ウルティマ・ツーレというシリーズで「氷と雪が溶ける様子」からインスピレーションを得た器などを多数製作しており、北欧のプロダクトが自然の造形と深いつながりがあることを教えてくれる。
こういった経験や思いが現在の駒屋氏の家具作りにつながり、RC.034が生まれたと思うと、「心地良いチェア」という枠を超え、使い手に壮大な世界観を感じさせる。
「インテリアシーンは自由であるべきで、作り手のイメージややりたいことを押し付けるものではない。使う人のビジョンを知って、より良い暮らしをつくるお手伝いをしていきたいと考えています。」
と、駒屋氏は家具づくりに対する考えを語ってくれた。
使い手を思うからこそ、ときに自然の造形も取り入れながら多種多様なデザインを生み出していく。そしてそのデザインの幅を支えるのは、家具の本場であるデンマークや北海道・旭川での学びや経験であり、代々駒屋家に受け継がれてきた職人としての技術とプライドなのだ。
最後に駒屋氏に将来のビジョンを聞いてみたところ、こんな答えが返ってきた。
「ここ(店舗と工場がある場所)はもともと誰もが見捨てるような工場跡地でした。それをうちが入って時間をかけてここまで整えた。前の様子を知っている人から見たら驚くほど変わっているので『駒屋さんに引き取ってもらって良かった』という声をたくさん頂く。
敷地自体は広く、まだ手をつけていない場所もあるので、これからそこを一つずつ整えて、レストランを開くとか地元の食材を使った何かをできる場所にしていきたいと考えています。」
敷地内は高台になっており、店舗のすぐ脇は広い崖のようになっている。そこには建物がなく、飛騨高山の街の一部が見渡せる絶好のロケーションだ。
そんな所で暮らしの道具を探して食も楽しめたら、きっと楽しい未来が描けるに違いない。
家具は使い手の生き方そのものを支え、未来への希望そのものになる。
一人一人の暮らしの集合体が街となり、その街が心地良い場所であれば個人の暮らし自体が豊かなものになっていく。つまり暮らしの循環が育まれていくのだ。
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この工房を出た後、私たちはいくつかの大手家具メーカーや家具工房を回って帰路についた。
アプローチはそれぞれだが暮らしの循環に目を向けていた。
深く深く家具作りに真摯に向き合っている工房の姿勢に感銘を受けた。
私たちは売り手として、この研修で見聞きしたこと・工房の想いをお客様に伝え、工房とお客様をつなぎ、たくさんの喜びを共有していきたいと願っている。
【Roots猪苗代 春の大絨毯展】
会 期:5/25(土)〜6/9(日) 開催!
時 間:11:00〜17:00
定休日:毎週火・水
会 場:Roots Lifestyle Shop (Roots猪苗代 2F)
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Roots Lifestyle Shopは「本物と育てる暮らし」をコンセプトに、本物のくらしの道具を通して、モノを選ぶ基準やくらしの価値観をご提案しています。新しい暮らしをお考えの方はぜひお出かけください。
Roots Lifestyle Shop (Roots猪苗代2F)
11:00-17:00
火・水 定休
tel 0242-23-4339
福島県耶麻郡猪苗代町山潟字湊志田191
mail roots-shop@sps-i.jp
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